バス 乗り方のヒント
京都市内は市バスが縦横無尽に運行しているので、市バスを利用すればほぼどこにでも行くことができます。 とはいえ路線はかなり複雑で、乗りこなすにはちょっとした予備知識が必要かもしれません。
また、他社バスやJR、私鉄を使う方が便利な場合もあり、エリアごとに歩いて回れる観光スポットも数多くあります。 そうなると、ぶらっと出掛けてゆっくりひと処に長居するのか、限られた時間でたくさん見て回りたいのかによっても交通手段が変わってきます。
そこでこのページでは、京都の路線バスについての基本情報について紹介していきます。 地下鉄以外の電車については「電車 乗り方のヒント」を参考にしてみてください。
なお、市バス・京都バス・西日本JRバス・京阪バス共通の「バス1日券」の利用は、令和6年3月末をもって完全に廃止されました。一方、「地下鉄・バス1日券」の販売・利用は継続されています。
市バスのきほん
・市バスの乗り方
・路線図を見る
・市バスの番号表示 3つのタイプ
・分散配置されているバス停を探す
京都バスについて
西日本JRバスについて
京阪バスについて
市バス・京都バス・西日本JRバス・京阪バスが使える「地下鉄・バス一日券」
・「地下鉄・バス一日券」の使い方
・大原に行く場合の「地下鉄・バス一日券」と普通運賃の比較
「地下鉄一日券」について
[MEMO欄] らくなんエクスプレス
[MEMO欄] エアポートリムジン
市バスのきほん
この項は市バスに馴染みのない方が見ることを前提に、前もって知っておいたり、予定を立てるときに役立つ(かもしれない)基本的な事柄を載せています。
市バスの乗り方
市バスに限らず京都を走るバスは、現在ほとんどが後ろ乗り、前降りです。ただし、一部の市バスは前乗り・後ろ降りを導入中です。 (車いすの場合は後ろ乗り)。
車内で次の停留所が案内されるので、降りるときは降車ボタンを押して知らせます。
均一区間の運賃は大人230円、子供120円。後ろ乗りバスでは降りる際に、前乗りバスでは乗車時に、運転手さんの横にある運賃箱に料金を入れます。 整理券乗車のバス(黒番号のバス)では車内の運賃表に従います。
お釣りは出ないので、小銭がない場合は運賃箱の横にある両替機でくだいてから投入します(5,000円札、1万円札は使えないので要注意)。
交通系ICカードの場合は、均一区間・後ろ乗りのバスではそのまま乗車、降りる際に運転席ヨコの読み取り機にタッチしてピピッで終わり。 前乗りバスの場合は乗車時に読み取り機にタッチします。整理券乗車のバスの場合は、乗車口でまず読み取り機にタッチ、 降車の際にも読み取り機にタッチすればOKです。他の磁気カードの場合も同様にIC読み取り機に隣接されている磁気カード用機械に通します。
後述する「地下鉄・バス一日券」も利用できます。
京都市交通局:ICカードについてのQ&A:
https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/page/0000214553.html
路線図を見る
目的地を巡るときに便利なのが、路線図「地下鉄・バスなび」。「地下鉄・バスなび」は観光案内所や、京都駅の総合バス案内所などでもらえるほか、下記のリンクからもダウンロードできます。
京都市交通局:路線図のサイト:
https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/page/0000019770.html
上記のサイトには主に観光客向けの「地下鉄・バスなび」(こちらは路線面)と、市民向けの「京都市バス・地下鉄路線図」(こちらは路線面)のリンクが貼られています。
ここでマイナーな注意点がひとつ。 実は「地下鉄・バスなび」は市バス・地下鉄の主な路線が抜粋されているのに対し、「京都市バス・地下鉄路線図」は市バス・地下鉄の全線が掲載されています。 つまり、「地下鉄・バスなび」には表記されていない路線もあるのです。「京都市バス・地下鉄路線図」は、主に市民や通勤・通学する人に向けてつくられています。
一方、「地下鉄・バスなび」にはエリアマップがついていたり、乗換え早見表などの情報が載っているので、観光にはこちらが便利です。 もし目的地のアクセス案内に「○番のバス」とあるのに見当たらない場合は、「京都市バス・地下鉄路線図」で確認してみてもよいでしょう。
これらの路線図を見て目的地に行くバスの番号をチェックし、乗車する停留所からのルートを確認します。バス停にもルートが表示してあります。
市バスの番号表示(オレンジ色、青色、白色)
市バスは系統ごとに番号が振られていて、A発→B行き、B発→A行き、ともに同じ番号をつけています。
同じ番号なので、行先の方向が不安だったり、待つバス停が合っているか分からないときは、バス停のルート表示でチェックしましょう。 近くの人に聞くか、停まったバスの運転手さんに聞いても答えてもらえるはずです。
さて、市バスの行先表示(方向幕)にはたくさんの情報が書かれていますが、ここでは一番目につく番号表示について概要を紹介します。番号表示は系統のタイプ別に、オレンジの地色に白抜き番号、青の地色に白抜き番号、白地に黒番号の3種類があります。
番号表示がオレンジの地色に白抜き文字のバスは、京都市街の幹線道路を循環する均一区間バスで、200番台をつけています。
また前述のように、同じルートを逆向きに循環するバスも同じ番号です。運賃は均一で、どこからどこまで乗っても230円(2024年5月現在)です。
循環バスなので、もし進行方向が逆のバスに乗ってしまったら10分で行けるところが1時間かかったり、途中で気づいてもタイムロスになります。 不慣れな場合は、待つバス停が合っているか、バス停で行先とルートを確認しておきましょう。
200番台のバスの中には途中の車庫や操車場に入庫するものもあり(その場合は行先が〇〇車庫・入庫など)、 入庫しなくても車庫前で乗務員さんが交替するために一時停車する場合もあります。
番号表示が青地に白抜き文字のバスは、循環ではなく、A発→B行き、B発→A行きタイプの均一区間バスです。どこからどこまで乗っても運賃が変わることはありません。ちなみに46番は上賀茂神社に行く場合や岡崎公園に行く場合に利用できますが、方向は真逆です。
白地に黒番号のバスは広域を走るバスで、乗車区間によって運賃が変わるタイプです。つまり、整理券乗車のバス。乗車時に整理券を取り、降車時に車内の運賃表に従って運賃を支払います。
ICカードの場合は乗車時と降車時に読み取り機にタッチします。
京都市交通局のサイトから
京都市バス時刻表
※京都駅前発の観光特急バスが2024年6月に導入されました。土日曜・祝日と盆、年末年始のみ。 100,101系統で清水寺方面に向かう京都駅―五条坂の直行便と、観光地を巡る京都駅―五条坂―祇園―平安神宮前―銀閣寺前の2路線。運賃は大人500円 小人250円。 「地下鉄・バス1日」が使用可。
分散配置されているバス停を探す
同じ呼び名の停留所でも系統によって場所が異なるところがあり、慣れていないと目的のバス停を見つけにくいこともあります。 特に大通りの交差点や、さまざまな系統のバスが集中する停留所ではバス停が何箇所にも分かれて配置されています。
停まらないバス停で待っていてもバスは来ないので、そんなときは近くに設置されている「のりば案内」を確認しましょう。
※一方、例えば、四条河原町や四条高倉などの主要バスのりばでは、多くの系統が一箇所に統合され、係の方の案内もあります(上の写真ではDとE乗り場)。分からないことがあれば聞けるので安心ですね。
また、バスの接近情報は、主要なバス停ではその場で確認できますが、接近表示のないバス停の場合、スマホで「ポケロケ」のサイトから知ることができます。
「ポケロケ」トップページ:http://www2.city.kyoto.lg.jp/kotsu/blssmart/index.html。
京都バスについて
京都バス株式会社が運営する「京都バス」は、京都市内の北部や西部を広くカバーして運行しています。ただ、本数はそれほど多くはありません。また市の中心部でも市バスと共通の経路で運行している区間があり、バス停が隣接しているところもあります。 案外、市バスより空いていることが多いので、路線に目的地が確認できれば乗ってOKです (ただし路線が遠回りになっていないか確認要)。
乗り方は市バスと同じ(市バスの乗り方)。市バスと同じ区間なら運賃も同じです。整理券乗車の場合は乗車時に整理券を取り、降車時に車内の運賃表に従って運賃を支払います。 交通系ICカードの場合は乗車時と降車時に読み取り機にタッチします。
後述する市バス・西日本JRバス・京阪バスと共通の「地下鉄・バス一日券」も利用できます(後述:区間外料金が必要になる場合があるので要注意)。その他、私鉄とタイアップしたお得きっぷなども発売されています。
京都バスの公式サイト:http://www.kyotobus.jp/
京都バスの路線図:
https://www.kyotobus.jp/common/pdf/route_map.pdf
西日本JRバスについて
JRバスは長距離高速バスのほか、一般路線バスも京都市内を運行していて、京都バスや市バスと同様に乗車できます。特に神護寺、西明寺、高山寺、常照皇寺など三尾以北へ行く場合は重宝します。
なお、2021年から均一運賃区間が拡大され、さらに「地下鉄・バス一日券」も使えるようになりました。その他、周山フリー乗車券も発売されています。ただし、本数は多くないので事前に要確認です。
乗り方は市バス・他社バスと同じです。整理券乗車のバスが多いので、その場合は整理券を取って乗車、降りる際に運賃表にしたがって運賃を支払います。ICカードの場合は乗車時と降車時に読み取り機にタッチします。
JRバス・京都市内の路線バスのサイト: https://www.nishinihonjrbus.co.jp/route/kyoto/
京阪バスについて
京阪バスは京阪電車の沿線を中心として、関空と京都を結ぶリムジンバスや、高速バスなどの広域バス、定期観光バスのほか、京都市内を走る路線バスも運行しています。 またグループ会社も多く、亀岡・園部・美山方面や湖西、宇治方面にも路線があります。ただし本数は多くありません。
京都市内の路線バスのうち、観光で利用度が高いのは伏見・山科方面でしょうか。比叡山へも路線バスが出ています。
京阪バスは市バス・京都バス・西日本JRバス共通の「地下鉄・バス一日券」が利用できます。
京阪バスの公式サイト:https://www.keihanbus.jp/
市バス・京都バス・西日本JRバス・京阪バスが使える「地下鉄・バス一日券」
「地下鉄・バス一日券」は、市バス・京都バス(一部路線を除く)・西日本JRバス(一部路線を除く)・京阪バス(一部路線を除く)・地下鉄が1日乗り放題になります。2024年6月からは100, 101系統観光特急市バス(京都駅前発・土日祝、年末年始のみ運行)にも使用可能です。
2024年5月1日現在、「地下鉄・バス一日券」は1,100円(子ども550円)。 乗車できる範囲は路線図「地下鉄・バスなび」の黄(オレンジ)枠の内側です。
「地下鉄・バス一日券」の購入場所:京都駅や北大路バスターミナルなどのバス・地下鉄案内所、定期券発売所、特定のバス停の自動券売機、特定のコンビニなどのほか、バスの車内でも購入可能です(運転手さんに尋ねてください。稀に売り切れの場合もあるらしいですが)。
発売場所の詳細については、京都市交通局(太秦天神川)「地下鉄・バス一日券」のサイト https://oneday-pass.kyoto/をごらんください。
ここで地下鉄について少し。京都の地下鉄は市内を南北に走る「烏丸京都線」と、東西に走る「東西線」の2線があります。「烏丸京都線」は京都駅や四条烏丸、北大路バスターミナル、竹田駅などと連絡があり、「東西線」は太秦天神川、JR二条駅、二条城前、三条京阪、東山三条などを経由、山科・醍醐方面に延びているので、「地下鉄・バス一日券」は、1日で広域を観光する場合に便利です。
ただし、京都はエリアごとに歩いて回れる観光地がたくさんあり、それなりに時間を要するので、1,100円で元が取れるかは事前によく検討してみてくださいね。
「地下鉄・バス一日券」の使い方
「地下鉄・バス一日券」の使い方について、バスで利用する場合は初回のみ降車時に専用の読み取り機に通します。すると、カード裏面に日付が印字されるので、2回目以降は降車時に運転手さんにカードの日付を見せるだけでOKです。地下鉄の場合は自動改札機に通します。
なお、初回に西日本JRバス・京阪バスを利用する場合は、「地下鉄・バス一日券」の表面に油性マジックを使って自分で日付を書くというアナログ!!な使用法が指定されているので要注意です。
また「地下鉄・バス一日券」を購入すると、拝観料の割引など優待を受けられる施設もあります(内容は随時変わることあり。下記サイトで確認要)。
京都市交通局(太秦天神川)「地下鉄・バス一日券」のサイト
https://oneday-pass.kyoto/
※京阪バス「地下鉄・バス一日券」適用範囲図(京阪バスの公式サイトから「路線バス」⇒「運賃/定期」⇒「京阪バス適用範囲図」):https://www.keihanbus.jp/local/pdf/ticket_oneday-pass-kyoto.pdf
大原に行く場合の「地下鉄・バス一日券」と普通運賃の比較
「地下鉄・バス一日券」は2021年9月以前の900円から1,100円に値上げされたため、それまでおトク感満載だった京都駅前 - 大原(往復)は、普通運賃との差が20円しかなくなってしまいました(2024年5月現在、片道560円×2=1,120円)。
なお、大原まで運行しているのは京都バスのみなので、公共交通機関で市の中心部と大原を往復する場合は京都バスを利用することになります(八瀬駅前あたりまでは叡電のオプションあり)。
注意点としては、普通運賃で往復するほうが、「地下鉄・バス一日券」より安くなる区間が以前より広範囲になっていることです。
普通運賃で往復する場合、「地下鉄・バス一日券」より安い区間例:
「四条河原町」⇔「大原」:片道530円✕2=1,060円
「三条京阪前」⇔「大原」:片道510円✕2=1,020円
「出町柳駅前」⇔「大原」:片道440円✕2=880円。
もちろん乗り放題なので、その他の区間で乗れば乗るほどおトクには違いないのですが…。大原エリアも歩いて回れる観光スポット満載なのでちょっと微妙ですね。
「地下鉄一日券」について
あまり利用度は高くないですが、地下鉄全線に1日乗り放題の「地下鉄一日券」もあります。 大人800円、子ども400円。地下鉄沿線だけを800円分以上利用する場合におトクになります。
京都市交通局 京都市営地下鉄のサイト:
https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/category/166-0-0-0-0-0-0-0-0-0.html
京都市交通局 地下鉄運賃表のサイト:
https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/page/0000163782.html